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財務分析のその先へ:IC Rating®が示す、過去から未来へつながる企業の真の価値

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今日の不確実性の高い時代において、企業の真の価値は、貸借対照表や損益計算書といった財務諸表だけでは測りきれません。これらが示すのは過去の活動の結果に過ぎず、真の競争力の源泉は、従業員の能力や意欲、独自の技術力、顧客との信頼関係といった、財務諸表には現れない“見えざる価値”=「知的資本」にあります
ICMG Groupが提唱する「知的資本経営」とは、この企業の「知的資本」を可視化し、それを活用した新たな価値創造を通じて、企業の業績を伸ばし、持続的な成長を可能にすると同時に、社会にも貢献することを目指す経営手法です。
知的資本経営を実践するための出発点となるのが、ICMG Group独自の手法「IC Rating®」です。これは、ICMGが20年以上にわたって磨き上げてきた知的資本経営の実践手法である4Dサイクルの最初のステップ「Discover(知的資本の可視化)」に位置づけられ、自社の知的資本を棚卸し、客観的に把握する重要なプロセスです。
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IC Rating®とは何か?

IC Rating®(Intellectual Capital Rating、知的資本評価)は、知的資本経営の父とされるスウェーデン・ルンド大学のレイフ・エドヴィンソン教授が設立したIntellectual Capital A. B. 社(ICAB社)が開発した、知的資本を可視化するためのツールです。世界で最初に知的資本経営を導入し成功モデルとなった北欧の保険会社スカンディア社の経験を基に、多様な企業に適用・比較可能な評価ツールとして開発されました。日本ではICMGが唯一のライセンスを保有し、サービスを提供しています。
このツールは、EUの報告書でも知的資本を多面的に把握する手法として高く評価されており、知的資本の状態を記述しつつ、格付によってその質に関する示唆を得られるという特徴を持っています。

IC Rating®が解き明かす知的資本の真実とプロセス

1. なぜ「対話」が不可欠なのか?

知的資本の多くは、数値化が難しい「暗黙知」として組織内外に眠っています。例えば、社員が持つノウハウや顧客が抱くブランドへの期待感は、単純なアンケート調査だけではその本質を捉えることは困難です。これらの「言わずもがな」の価値を言語化された「形式知」として引き出すためには、社内外の重要なステークホルダー(顧客、取引先、従業員、経営層など)との「対話」、特に本質を掘り下げる「インデプス・インタビュー」が不可欠なのです。

2. IC Rating®の独自性:3つの資本と2つの時間軸

IC Rating®では、知的資本を「人的資本」「組織資本」「関係資本」の3つの体系で包括的に捉えます。
  • 人的資本: 経営者や従業員の能力、意欲、組織文化など、すべての価値創造の源泉。
  • 組織資本: 知的財産、業務プロセス、経営基盤など、組織に蓄積された能力。
  • 関係資本: 顧客、取引先、株主など、外部ステークホルダーとの関係から生まれる価値。
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これらの資本体系に沿った質問を通じてインタビューを行うことで、企業の知的資本の全体像を構造的に把握します。
さらに、IC Rating®のもう一つの特徴は、過去・現在と未来という2つの時間軸を捉えている点です。財務諸表が過去の活動結果を示すのに対し、IC Rating®は現在の知的資本の状態(効率性)と、未来に向けた企業の成長可能性(改善・革新力)および持続可能性(リスク)を評価します。このため、評価項目はそれぞれ「効率性」「改善・革新力」「リスク」という3つの切り口で構成されています。

3. IC Rating®の具体的なプロセス

IC Rating®は、主に以下のステップで進められます。
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ステップ1:ステークホルダーマッピング
企業を取り巻く主要なステークホルダーを洗い出し、それぞれの重要度や関係性を明らかにします。これにより、企業のビジネスモデルにとって誰の声を聞くべきかを特定し、インタビュー対象者を偏りなく選定します。
ステップ2:インデプスインタビュー
特定された社内外の重要ステークホルダー(標準的には30名)に対し、訓練を受けた専門家が1時間半程度の対話形式のインタビューを実施します。単にスコアを付けるだけでなく、「なぜその点数なのか」「何があれば改善されるのか」といった背景や理由を深く掘り下げる弁証法的対話を通じて、ステークホルダーが本当に感じている価値や課題を浮き彫りにします。
ステップ3:知的資本分析と認識ギャップの可視化
インタビューで得られたスコアと定性的なコメントを基に、知的資本を3つの資本体系と3つの評価軸(効率性、改善・革新力、リスク)で多角的に分析します。特に、経営層と顧客、あるいは部門間といったステークホルダー間の認識のギャップを可視化します。このギャップこそが、自社の強みや課題、そして新たな成長機会を発見するための重要なヒントとなります。
ステップ4:ワークショップ
分析結果を基に、経営層や主要メンバーとの対話形式のワークショップを実施します。客観的なデータとステークホルダーの生の声という「鏡」を手にすることで、事実認識を一致させた上で本質的な議論が可能になります。ここで企業の「核となる知的資本」を特定し、パーパスの再確認や今後の変革に向けたビジョン・戦略を描いていきます。
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あなたの会社に眠る「本当の価値」を見つけ出す

IC Rating®は、これまで見過ごされてきた企業の本当の価値に光を当て、経営の意思決定に活かすための羅針盤です。外部からの客観的な視点を取り入れることで、自社の強みと課題を再認識し、ステークホルダー間の認識ギャップを埋めることで、確度の高い戦略や価値創造ストーリーを描くことが可能になります。
実際にIC Rating®を導入した企業からは、「眠れる力を呼び覚まし、会社の現状を短期間で実感として把握できた」「ステークホルダーの生の声を通じて戦略の実効性を定量的に把握できるようになった」「社内の共通認識が生まれ、チームワークが向上した」といった声が寄せられています。
私たちは、皆さんの会社に眠る可能性を共に探し、未来への持続的な成長をサポートします。
【ICMG Groupについて】
ICMG Groupは、バランスシートに出てこない企業の見えざる価値=知的資本を可視化し、多様なステークホルダーとの共創を通じて、確かな成果をお届けする事業共創パートナーです。創業から25年以上に渡り、東京、シンガポール、バンガロール、アブダビ、ナイロビ、サンフランシスコ、上海、ストックホルムをベースに、企業の価値の源泉である知的資本の可視化やそれに基づいた戦略策定、エグゼキューション、リーダーシップ育成、事業投資、ベンチャーキャピタル、M&A、UI/UXデザイン、エンジニアリング、リクルーティング、ジョイントベンチャーの設立・運営まで、一気通貫でクライアントと共創し、日本企業の成果創出にコミットしています。また、東京電力・中部電力と再生可能エネルギーや次世代インフラへの投資を行うジョイントベンチャーをシンガポールに設立しており、国連UNDPとは、SDGsイノベーションに関するパートナーシップを締結しています。ベンチャーキャピタルでは、Sequoia CapitalやGoogle、Tiger Global Management等のグローバルトップVCとインドで共同投資を行っております。2023年には、日本大企業の経営層の持つパーパス、ビジョンをデジタルの力に繋げ、社会のイノベーションを加速するICMG Digitalをローンチしています。これらの多様な価値を創出してきたICMG Groupのコアバリューは、常に企業、組織の見えざる価値を可視化し、将来像(パーパス)を描き、その価値創造を実現させてきた知的資本経営(Intellectual Capital Management)にあります。

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