Stories of ICMG Group

知を共創する“Future Center”とは何か── ICMG Groupが考える未来の組織づくり

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なぜ今、“場(BA)”が経営の武器になるのか

場(BA)は価値創造の起点

御社の会議室で日々語られているのは、過去の数字ですか? それとも、未来の物語ですか?
もし、オフィスの役割が「業務を効率よくこなす場所」に留まっているなら、それは大きな機会損失かもしれません。 皆さんは、「自分の会社の場(BA)がどんな未来を生み出す場所になり得るか」を想像したことがありますか?
ICMG Groupは、場(BA)は単なるコストや効率化の対象ではなく、意志ある人材が出会い、思考と関係性が広がる戦略的な経営資源(知的資本)になり得ると考えます。 組織の知が自然と結びつき、新たな発想や協働が生まれる“価値創造の起点”として、今こそ「場(BA)」を再定義する必要があるのです。

働く場を、価値創造を生む「場(BA)」へ

従来の企業経営では、場(BA)は効率的な業務遂行を支える、機能的空間としての役割を果たしてきました。しかし今日の複雑化した社会では、自他の知の結合による新しい価値創造が不可欠です。組織やセクターの垣根を越えた「個」によるネットワーク、すなわち共創が必須なのです。
ICMG Groupは、この共創を実現し、場(BA)を偶発的な価値創造の起点とするため、「働く場」から「無形資産や知識創造の場所」へと役割を戦略的に転換すべきだと考えています。
なぜなら、場(BA)は単なるコストではなく、未来の成長機会を意図的に創出するための戦略的な「無形資産である知的資本」となるからです。ICMG Groupは、知的資本(組織資本、人的資本、関係資本)を未来の価値創造へと昇華させるための活動のプラットフォームとして、「場(BA)」が不可欠だと考えています。

Future Centerの哲学とICMG Groupの実践ストーリー

知的資本経営における“場(BA)”の位置づけ

ICMG Groupは、知的資本経営において「場(BA)」を、組織資本の1要素として捉えています。島型やフリーアドレスなどのオフィスレイアウトが組織のワークプロセスを体現するように、場(BA)そのものが業務プロセスを規定する基盤、すなわち組織知を生み出す土壌となるからです。さらに重要なのは、場(BA)の使い方次第で、そこに集う人的資本や関係資本を強化する装置として機能し、知的資本全体の価値創造にレバレッジをかけられる点です。

Future Centerの源流:知識創造を生む「場(BA)」の思想

この「場(BA)」の思想を体現するのが「Future Center」です。
この概念を提唱したのは、「知的資本の父」レイフ・エドヴィンドン氏であり、1996年に彼がスウェーデンのスカンディア保険会社で創設した「Skandia Future Center」がその始まりとされています。エドヴィンドン氏は、ここでの実践を通じて、「外部との知の共有」や「ネットワークと関係資本の醸成」といった成功要素を導き出し、場(BA)が単なる空間以上の戦略的資産であることを証明しました。
興味深いことに、Future Centerの源流には、わが国の野中郁次郎氏らが提唱した知識経営(Knowledge Management)論があります。世界中で「場(BA)」という日本語の概念がそのまま通用しているのもそのためです。
Future Centerとは、まさにこの思想に基づき、異なった組織や立場の人々が、その組織や立場を離れて自由に関係性を形成し、未来志向で創造的な対話をおこなう場のことです。
人は誰しも、過去や現在について議論すると、しがらみや利害の虜となってしまいます。しかし、未来や夢について語り合うとき、人は創造的になり、本来の意志を発揮できるのです。

日本での展開:産学官民による共創の土壌づくり

ICMG Groupが参画するFCAJ(Future Center Alliance Japan)は、この普遍的な意義を、日本企業の価値創造と知的資本経営に落とし込むべく活動しています。FCAJの活動は、紺野登氏らが中心となっており、Future Centerの意義を、産学官民が垣根を越えて集い、未来の視点から共に構想し、実践への仮説をつくる戦略的な場(BA)として体系化しています。

ICMG Group実践例:「Willpowerの森」が生む知的資本の共鳴

ICMG Groupは、この知識創造の「場(BA)」の哲学に深く共鳴し、東京オフィスをFuture Center Tokyo(FCT)としています。
FCTは、ICMG Groupのビジョンである「Willpowerの森」のコンセプトを体現する場(BA)です。「Willpowerの森」とは、未来の社会課題解決や新しい事業創造という「強い意志(Will)」を持った個人と企業が集い、社会共通善に向けて互いの知的資本を共鳴させる世界観を指します。FCTは、この共創の起点となるべき、以下のような化学反応を生み出しています。
  • 関係資本の強化:
    Future Centerは自社に閉じず、多様な人々を集め、新たな関係性を構築します。これは企業の関係資本を強化し、企業ブランドを体現するものでもあります。
  • 人的資本の強化:
    Future Centerで誘発される創造的な議論は、従業員の創造的思考や議論のスキルを磨き、行動様式の変革を促します。
このように、ICMG Groupの実践から、組織資本である場(BA)の使い方によって、他の知的資本にレバレッジをかけることが可能であることが確認できます。
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Future Centerから始まる知的資本経営をともに探求する

私たちは、Work PlaceからWise Place®への役割転換こそが、組織が持続的な成長と競争優位性を確立するための鍵であると考えています。
ICMG Groupは、Future Centerというプラットフォームを通じて、「場(BA)」の持つ可能性について、皆様と共に深く考え、知的資本経営の実践を進めていくことに強い関心と知見を持っています。
今後も、知的資本を強化する場(BA)の見方・あり方について、継続して情報を発信していく予定です。
場(BA)を通じた価値創造にご関心のある方は、ぜひICMG Groupへお声がけください。
※「Wise Place®」は、知識創造理論の国際的な第一人者である紺野登氏が代表を務める、エコシスラボ株式会社(知識生態学研究所)の登録商標です。
【ICMG Groupについて】
ICMG Groupは、バランスシートに出てこない企業の見えざる価値=知的資本を可視化し、多様なステークホルダーとの共創を通じて、確かな成果をお届けする事業共創パートナーです。創業から25年以上に渡り、東京、シンガポール、バンガロール、アブダビ、ナイロビ、サンフランシスコ、上海、ストックホルムをベースに、企業の価値の源泉である知的資本の可視化やそれに基づいた戦略策定、エグゼキューション、リーダーシップ育成、事業投資、ベンチャーキャピタル、M&A、UI/UXデザイン、エンジニアリング、リクルーティング、ジョイントベンチャーの設立・運営まで、一気通貫でクライアントと共創し、日本企業の成果創出にコミットしています。また、東京電力・中部電力と再生可能エネルギーや次世代インフラへの投資を行うジョイントベンチャーをシンガポールに設立しており、国連UNDPとは、SDGsイノベーションに関するパートナーシップを締結しています。ベンチャーキャピタルでは、Sequoia CapitalやGoogle、Tiger Global Management等のグローバルトップVCとインドで共同投資を行っております。2023年には、日本大企業の経営層の持つパーパス、ビジョンをデジタルの力に繋げ、社会のイノベーションを加速するICMG Digitalをローンチしています。これらの多様な価値を創出してきたICMG Groupのコアバリューは、常に企業、組織の見えざる価値を可視化し、将来像(パーパス)を描き、その価値創造を実現させてきた知的資本経営(Intellectual Capital Management)にあります。

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